この春、キリンビールがこんな斬新なビールの飲み方を世に送り出した。
カギとなるのが工場の生産技術を担当するエンジニアたちが生んだ新型のビールサーバーだ。
冷たいビールを提供する研究を進めるなか、発想の転換から開発に着手。
従来のビールをそのまま使いながら、「フローズン生」という目新しさを打ち出すことに成功した。
■「食感が面白い」「自分でも注ぎたい」

グラスを円を描くように回しながら、まるでソフトクリームのように泡をそそぐ
「泡が凍ったビールお願いします」。3月上旬から東京都心のあるビアバーでこんな注文が聴かれるようになった。
全国に先駆けて、メニューにキリン「一番搾り」の新しい飲み方「フローズン生」が加わったのだ。
「冷たいだけでなく食感が独特なのが面白い」「飲むだけでなく自分でも注いでみたい」。実際に飲んだ人の反応も上々だ。
ここ数年、「キンキンに冷たいビールが飲みたい」というビール好きの消費者の声に応える氷点下のビールが広がっている。
ハイネケンや、アサヒビール「スーパードライ」が相次ぎ「エクストラコールド」を企画。
通常は5度以上で出すビールを専用のサーバーで最大でマイナス2度程度まで冷やして提供し、人気を集めている。
もっとも、これらはビール全体を氷点下に冷やしたもので、凍らせてはいない。
一方の「フローズン生」は泡を氷にしてしまったのが特色だ。あくまで「泡」なので硬さはなく、液の上に固まりとして乗っている印象だ。
泡持ちもよく、普通のビールなら注いでから6分程度で消えてしまう泡が約40分程度は残るという。
どのようにして、このようなアイデアが生まれたのだろうか。
http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A90889DE6E2E3E0E0EAE3E2E2E1E2E6E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E3E7E3E0E0E2E2EBE0E2E3E2
■ポスト「氷点下ビール」へ試行錯誤

グラスに注がれた「フローズン生」。凍った泡が立っている。
キリンはもともと、凍らせることまでは考えていなかった。
同業他社が相次ぎ氷点下のビールを商品化する中、2010年後半、
差異化戦略の一環として近年は手掛けていなかったサーバーそのものの開発に着手した。
氷点下のビールを出すサーバーをどうしたら小型化できるか、省電力化できるか、どの温度帯で出すのが良いのかなどを試行錯誤した。
ところが、いざ開発を始めると大きな課題が浮かび上がった。
ビールを氷点下まで冷やしながら、凍らせないためには厳しい温度管理が不可欠。
直接ビールを冷却せず、氷水を介して冷やす仕組みなどが必要で、これだと消費電力を抑えることが難しい。
設備が整った店ならともかく、小さな料理店ではブレーカーが落ちてしまう可能性もある。
しかも「すでに出ている他社製品との差異化も難しいと思った」(技術開発部の遠藤徳雄さん)。
「どうせなら完全に凍らせてしまおう」。行き詰まり感が出ていた開発作業の中で、
それまでの常識の一線を越えた考えが生まれたのが11年2月ころ。
しかし「凍ったビール」は前例がなく、どんな飲み方をするのか具体像があるわけでもない。
■凍らせたビールをミキサーで撹拌
試しにビールを冷凍庫に入れてカチカチに凍らせたが、そのままでは食べることさえままならない。
やむなく思いつきで自宅から持ち込んだミキサーで撹拌(かくはん)してみた。
これが「思わぬおいしさだった」(遠藤さん)。3月11日には東日本大震災が発生。
原子力発電所の停止などで電力危機が取り沙汰されたこともあり、節電への問題意識も一段と高まった。
3月31日に、サーバーの開発の目的は「冷たいビール」から「凍ったビール」へと大きく舵(かじ)をきる。
4月19日には役員を対象に、ミキサーを使った「手作り」で試飲会を実施した。
開発チームもそれまでの2人から専属の4人に増強することが決定。
マーケティングや営業の担当者も参加して、「DI(ドラフトイノベーション)プロジェクト」と名付けた企画が始動した。
開発に与えられた時間は約2カ月。夏までにテスト販売にこぎ着けるためだ。
しかし、機械化の道筋はたっていなかった。似た食感の「スムージー」に目をつけたが、
開発メンバーがスムージーの機械は触れるのは初めて。
温度設定や泡に含まれる空気の量、撹拌(かくはん)のスピードなど様々な条件を試しながら、
何度も分解してビール用に組み立て直した。
何とか6月中旬にテスト機が完成。7月から、工場見学者向けのレストランなどでテスト販売を始めた。
外気温の影響などのデータもそろえ、サーバーメーカーに量産化の話を持ち込んだ。
色はビールサーバーに多いシルバーではなく白を採用。透明で撹拌している様子を楽しめるデザインにした。
冷凍撹拌技術に関する工業所有権の取得も進めた。
続きます
■5月から全国1000店に設置へ

「フローズン生」の泡を注ぐ専用サーバー。中が見えるように透明なデザインを採り入れた
「ビール会社の“開発”というと、ビールそのものの味わいなどの改良が目立つが、
今回は定番のビールを使って新しい価値を生み出した」(遠藤さん)。
キリンにとって「一番搾り生ビール」はビール販売量全体の6割を占める主力商品。
ビール類全体でも第三のビールの「のどごし生」に次ぐ存在で、「飲食店向けではもっとも強みを発揮する商品」(同社広報担当者)だ。
キリンは新型サーバーを5月中旬から全国1000店への設置することを目指している。昨年に続き、
節電が課題になるこの夏。これまでと一風変わったビールの新しい飲み方をどこまで広げられるか。
技術者たちからバトンを引き継いだ営業担当者たちが新技術を使ったサーバーの展開に奮闘している。
以上です。
ただ冷えているよりも見た目のインパクトもあるし。
去年、節電だー。ってときにメチャ宣伝してたじゃないか。
あっちの方が発想の転換だと思う

アイスビールって、100年以上も前から作られている、伝統的な製法らしいよ。
単独で店を出すのが難しかったら、マックでやれば?
そこまで冷やしたら、ビールの味が判らなくなるのでは…
味なんか二の次。口当たりや食感なんだろ。
日本酒とかウイスキーよりも芋焼酎やチューハイみたいに
分かり易い風味の酒類の方が受けているし
客に怒られる。
ドイツは常温が標準なんだってな
最近初めて知った
今度から一人の時は常温で飲んでみようかと思ってるw
日本で冷えたビールが美味しいってなったのは
かつての冷蔵庫ステマだったのか?
それは、無いでもない。
日本でビールが庶民層に飲まれるようになった頃と、
家庭用冷蔵庫の普及期がそんなに違わないと思う。
なにより、種類の少ない日本のビールは、冷たくしないと飲めない物ばかりだから。
夏の一番暑い月で夜15度、昼25度の「室温」だけどな。
つまり室温が10台という想定。
日本酒やワインだって、
それぞれ適温が違うでしょ。
そういうもの。
常温で不味いビールは冷やしたら不味さが分かりにくくなるだけで、旨くなるわけじゃないと思ってる。
「スーパードライ美味しいねー!いいなぁ日本は色んなビール自由に作れて」
にはワロタ。
日本ならビールなのに米とかいろんな混ぜ物ができるからね
別に日本で「本物のビール」を作ろうが輸入しようが自由だっつーの
ベルギービールブームとかあっただろ
ウマけりゃ売れるんだしメーカーもそう作る
そうならないのは暑いからに他ならない
「キンキンに冷えてやがる・・・」
「あ・ありがてぇっ・・・」
「涙が出るっ・・・」
「犯罪的だ・・・うますぎる・・・」
「染みこんできやがる・・・体に・・・」
「ぐっ・・・溶けそうだ・・・」
「本当にやりかねない・・・ビール一本のために・・・強盗だって・・・」
早く飲んでみたい。
お腹痛くなりそうだなぁ
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